6.ダイヤフラムポンプの特性

ダイアフラムポンプの特性について

ダイアフラムポンプは、多様な用途や環境に対応するため、いくつかの特性に基づいて選定する必要があります。ここでは、各特性について詳しく説明します。

吐出量と吐出圧力

吐出量 は、ポンプが液体をどれだけの量で吐出できるかを示す指標です。大流量が求められる場合には、ポンプの吐出量が多いものを選ぶ必要があります。一方で、少量の精密な流量制御が必要な場合は、吐出量が少ないタイプが適しています。

吐出圧力 は、ポンプが液体を送り出す際に生じる圧力のことを指します。高圧が必要な場合には、吐出圧力が高いポンプを選定することが重要です。圧力が不足すると、液体を所定の位置まで運ぶことが難しくなる場合があります。

ダイアフラムのサイクル

ダイアフラムのサイクル は、ポンプの動作サイクルを示し、通常は1分あたりの作動回数として表されます。サイクルが速いほど流量が多くなり、遅いほど少量の移送に適しています。サイクルの速さは、液体の特性や移送距離に応じて調整する必要があります。

 空気消費量

空気消費量 は、エア駆動型のダイアフラムポンプが動作するために必要な空気の量を示します。供給される空気量が十分でない場合、ポンプの性能が低下することがあります。したがって、空気消費量が多いポンプを使用する場合は、適切なエア供給が可能かどうかを確認することが重要です。

用途

用途 に応じて、適切なポンプを選ぶことが不可欠です。例えば、大流量が必要な場合や、液体の粘度が高い場合、あるいは固形物が含まれる液体を移送する場合など、用途に応じたポンプの特性を考慮する必要があります。

 他のポンプとの比較について

ダイアフラムポンプは、エア駆動ポンプや電動ポンプと比較してさざまな特徴を持っています。以下に、その違いについて説明します。

グラントからの漏れ防止

ダイアフラムポンプは、液体が漏れるリスクが非常に低く、特に危険物を扱う場合や、漏れを防ぎたい環境での使用に適しています。エア駆動型のポンプは特にこの点で優れており、漏れを最小限に抑えることが可能です。

自吸機能

自吸機能 は、ポンプが液体を自ら吸い上げる能力を指します。エア駆動型のダイアフラムポンプは自吸機能が高く、液体がポンプ内にない状態からでも簡単に吸い上げることができます。これに対して、電動ポンプは自吸機能が低いため、液体を吸い上げるために別途の補助が必要になる場合があります。

耐腐食性

ポンプが液体に触れる部分の材質が耐腐食性を持っているかどうかは、腐食性の高い液体を扱う際に重要なポイントです。ダイアフラムポンプは、特に耐腐食性に優れた材質が使用されており、化学薬品や酸性液体などを扱う場合に適しています。電動ポンプも耐腐食性を持つモデルがありますが、用途によってはダイアフラムポンプの方が適していることが多いです。

高粘度液体や固形物の移送

高粘度液体や固形物の移送 において、ダイアフラムポンプは非常に効果的です。液体の粘度が高い場合でも、ポンプの構造がしっかりと対応しており、安定した移送が可能です。また、スラリー（固形物が含まれる液体）を移送する際にも、ダイアフラムポンプはその能力を発揮します。電動ポンプは、このような用途にはあまり適していません。

用途別の適性

最終的には、使用する目的に応じてポンプを選ぶことが重要です。たとえば、危険物を取り扱う場所では、漏れ防止や耐腐食性に優れたエア駆動のダイアフラムポンプが最適です。一方、エネルギー効率や静音性が求められる場所では、電動ポンプが適している場合があります。