ダイヤフラム
ポンプとは?
ダイヤフラムポンプは、
可動式の膜「ダイヤフラム」を使用して
流体を吸入し排出するポンプです。
正確な流量制御・汚染の少なさ・
化学的安定性・乾燥耐性を特徴とし、
化学・食品工業・医療分野など
多岐にわたる産業で広く利用されています。
ダイヤフラムポンプの原理
ダイアフラムポンプの仕組みを簡単に説明します。
このポンプは圧縮空気を使って動きます。空気がポンプの中に入ると、ダイアフラム(薄い板)が動き、液体を吸い込みます。
ポンプの片方の部屋(液室)が液体を吸い込み、
もう片方が液体を押し出します。
これは、シャフトが動くことで、ダイアフラムが
液室の圧力を変えるためです。
供給される空気の圧力によって、
ポンプがどれだけの液体を押し出すか(吐出量)が決まります。
※この圧力は、テフロン製でないダイアフラムでは0.5~7 kgf/cm²
テフロン製の場合は0.5~5 kgf/cm²の範囲で調整できます。
ダイヤフラムポンプの機能・構造
ダイアフラムポンプは、圧縮空気を使って動かします。このポンプは、テフロン以外の材料で作られたダイアフラムの場合、
0.5~7 kgf/cm²の空気圧が必要です。
空気を供給すると、ポンプは液体を吸い込み、押し出します。
供給される空気が止まらない限り、
または吐出口が閉じられない限り、ポンプは動き続けます。
吐出量(ポンプが押し出す液体の量)は、
供給される空気の量や液体の圧力によって変わります。
液体の粘度や重さ、混合物の濃度によっても変化します。
正確な吐出量は性能曲線で確認できます。
※吸入口が狭いか長い場合、ポンプは正常な吐出量を
得られず、ポンプが空回りすることもあります。
液体の種類によっても吐出量が変わります。
例えば、液体の粘度や重さ、混ざっている物質の濃度などが影響します。
※ポンプの入り口が狭すぎたり長すぎたりすると、
十分な量の液体を押し出せないことがあります。
これにより、ポンプが空転することもあります。
安全のため、このポンプには特別な構造があります。
万が一ダイアフラムが壊れても、液体がポンプの他の部分に漏れ出ないように設計されています。これにより、ポンプが安全に停止します。
使用上の留意点
据付けするときの留意点
- 圧縮空気はドレン、異物の混入していないキレイなものを供給して下さい。
エアラインの末端になると、ドレン等が混ざり周囲が汚れます。 - 完全に除湿された圧縮空気でポンプを作動させますと、Oリング等が摩耗しますので、
供給エアラインには必ずオイラー(ルーブリケータ)を 取付けて下さい。 - 配管にオイラーを取り付けて潤滑して下さい。
- ポンプのエアは脈動的に消費されますので、通常、消費される必要エア量の40%増しのエアが通過するように、 配管、ホースを選定して下さい。
- ポンプのエア入口には適当な吐出圧にするために、エアレギュレータを取付けて下さい。
- エアの消費量は吐出量に従い変化します。性能曲線に示されている空気消費量は、ポンプが瞬間的に消費する空気量を示しており、 作動に必要な空気消費量は空気圧で相違しますが、概算でポンプ吐出量の約4倍のエアが必要です。
- ポンプの洩れをテストする場合は、吐出側にエアを入れてテストしないで下さい。
一般的注意事項
- ポンプの吸入、吐出口は、ホースまたはフレキシブルチューブ等を使用して配管し、ポンプの振動が配管に伝わらないようにして下さい。
- エアの3点セット(フィルタ、レギュレータ、オイラー「ルーブリケータ」)を必ずポンプの近くに取付けて、
ポンプ作動用エアの洗浄、 エア圧の調整、ポンプ切り替え部の潤滑を行って下さい。 - 冬期、ポンプの排気によって凍結を起こす場合がありますので、作動エアを温めたり、温水または赤外線ランプ等で 切り替え部を温めて下さい。
ホースで吸入、吐出を行う場合、ホースが振動し、動き回ることがあります。蛇行するとホースを傷めますので、ご注意下さい。
ドラムポンプとして使用する場合、ドラム缶の底に液が残らないようにアダプタでパイプの深さを調整して下さい。
ポンプ選定上の注意
- 送液に適合した接液部とダイアフラムの材質を使用して下さい。
- ダイアフラムの材質がゴム系の場合は6ヶ月に一度、テフロン等の場合は3ヶ月に一度は、ダイアフラムを点検して下さい。
- ダイアフラムが破損しますと、排気口から液が洩れると共に吸入、吐出口からもエアが洩れたり、ポンプの動きが左右不均一になったり、
作動を停止したりします。ダイアフラムに突き刺さるような異物を混入させないで下さい。 - 送液可能なスラリーの径は、ポンプの種類によって異なりますが、規定以上の大きさのものはバルブの目詰まり、または空転の原因になります。
- ご不明の点がありましたら、お問い合わせ下さい。