構造と原理

機能と構造

 ダイアフラムポンプは圧縮空気で作動します。
  1. 作動に要する供給空気圧は、テフロン以外のダイアフラムの場合は、0.5~7 kgf/cm2 (テフロンダイアフラムの場合は、0.5~5 kgf/cm2 )の範囲で使用して下さい。
  2. ポンプに空気を供給すると、吸入、吐出を行い、通常、吐出側が閉じられるか、供給エアが閉じられない限り、 ポンプは作動し続けます。
  3. 吐出量は空気の供給量と送液の吐出圧によって決まります。 また、送液の粘度、比重、スラリー濃度等によっても吐出量が変化します。性能曲線で確認して下さい。
  4. 吐出量は吸入口径が細いか、太くても長いと、所定の吐出量は得られません。 ポンプの「空転」即ち、「カラウチ」(ポンプが作動しても吐出しない現象)を起こすことがあります。

1:1ポンプの原理

  1. 図においてエア入り口からエアが通路 を通りエア室 に入り、ダイアフラムが右方向へ移動します。
  2. ダイアフラムと連結しているシャフトが右に移動するため液室が負圧となり ボール1 が開き液室 に液を吸引します。そのとき、ボール 2 は液室の吐出圧により閉じられます。
  3. 液室はダイアフラムの移動により加圧され、ボール 1 は閉じボール 2 が開き、液が吐出されます。
  4. このとき、エア室の空気は通路 を通り排気されます。
  5. シャフトの移動に連動してスライドブロックが 図の位置に移動し、エアと液の流れが 図と逆になり、液室が吐出側、液室 が吸入側となります。ボールの動きもそれぞれ逆となります。

  6. これが交互の繰り返され、ポンプは吸入・吐出を繰り返します。

2:1ポンプの原理

 駆動エア側D2、D3のダイアフラムと液側D1、D4のダイアフラムの 面積比を約2:1にし、 液の吐出圧を供給エア圧の約2倍になる ような構造にしました。(パスカルの原理)
また、液室P1、P4とエア室P2、P3との間に大気圧の空間を設け、万一液側のD1、D4の ダイアフラムが破損しても、 液は切替部に侵入せず、連結するパイプで反対の空間に充満し、ポンプの作動が停止するような安全機構を組込みました。